日曜日, 10月 11, 2009

安売りの経済学 - なんでデフレは止まらないのか -

おこんばんわBeepCapです。
先日、超リアルオンラインゲームの「Eve Online」でメガバンクが(一種の)破産をしました。

そういうイベント?と思われた方。
残念、違います。

『EVE Omline』のメガバンク、赤字により口座凍結 


見てのとおり、自由に楽しめるとの触れ込みのオンラインゲームだけあって、内部では内部のマネー取引が盛んで、会社や強盗に止まらず、銀行まで経営されてるというワケです。
このバンク、信用取引ばかりで、査定も不十分、貸せるだけ貸して儲ける古いタイプの銀行だったみたいで、歴史は繰り返す・・・当たり前のように破産しました。




さて、ゲームの中での話でも分かるとおり、銀行経営とは非常に大変なものです。
正直、マゾなのかそれとも社会貢献という魅惑の果実に脳をヤられて居なければ、絶対に起業しないであろう職種の一つなわけですけど。
反面、これが経済にとっては必要不可欠。

  • まず会社は、給料/ボーナスを銀行に借金して払っています。
  • 次に、新たな会社を起こすとき、銀行の融資なくしては最初の年の決算すら越えられません。
  • 最後に、仕事をしてもその結果の支払いは遅延します。よほど体力が無ければ、やはり借金によってその穴を埋めます。
ということで、会社にとって銀行とは大切な存在なのです。
もちろん銀行にとっても、会社は大切なお客様です。

銀行のほぼ唯一と言って良い収入源とは、このように会社(まれに個人)にお金を貸して利子を受け取るという行為に依ります。

ところが、最近は、タイトルにもあるとおりのデフレ。
「給料を借金して払うくらいなら、首を切ってしまえ」
というレベルまで節約(恐)が進んでいるのです。

なぜ此処に至るまでにデフレや不況をどうにか出来なかったのか。


少し考察してみることにしましょう。





まずは基本から。

あるお店でりんごが100円で売っていました。
これを適正な価格だとします。


さて、これから商売を始めるAさんは、りんごが売りたいとします。
ですが、世の中高度にインフラがは発達し、ともすれば個人ですら店に並んでいる商品よりも良いものが手に入れられる時代。
品質で勝負するのは非常に厳しい。

そこでAさんは価格で勝負することにしました。

りんごを一個90円にします。
これが、値下げ競争の第一歩です。
ただしここから争うように値下げ競争を行う事がデフレになるわけではありません。

実際にはもっと悲惨なのです。

さて、Aさんはりんごを90円で売ることに成功しました。
しかし100円で適正なりんごを90円にしたために、(原価を80円として)売上が
なんと半分になってしまったのです。

お客さんが倍に増えれば解決ですが(それでも元の売上に戻るだけ)、
そう上手くはいきません。

しかも、元の値段に戻すと、今いるお客さんすら離れかねません。

ということでAさんは半分のお金で生活しなければならなくなりました。

そうすると、Aさんは半分しかものが買えないので、Aさんが毎日生活の為に利用していた
BさんのB商店も、売上が下がります。

Aさん、Bさんの関係は伝染します。


と、こうなるわけです。

当たり前ですね。
実はものが安くなっていくのは、その値段でないと売れないからという事。
デフレを実感できる人間というのはこの輪に取り込まれていない裕福な人ということになります。

この伝染性のデフレという状態は、特効薬がありません。


だから、全員が貧乏になるまで繰り返すのです。


嫌な話だなぁ。




ここで、一つだけ特効薬ではないけれど、ジワッと効く漢方のような手法を公開。

「できるだけ生産者から、しかも、変に安売りして貰わずに買うこと。」

人間は本来、こういう取引で生きてきました。
でも、贅沢をするために、遠い土地の物が欲しくなりました。

それを、「やめろ」というのはナンセンスです。
しかし、今、本来の取引を行える環境にやっとなったのです。
生産者から買う。
これが、適正な価格でものを手に入れるコツです。

※ ちなみに僕は小売(や中売)が悪いともつぶれろとも思っていません。
小売は小売でこの新しい時代に合ったビジネススタイルにすべきなのですよ。
例えば、地産地消のキーステーションになるとか。

BeepCapは、ネットに進出する生産者の方々と、新しい時代を生きる小売の方々を応援しています。
もし「こう言う問題があって、うまくいかない」と考えられている方がいらっしゃいましたら、どしどしコメントかメールください。

経済はもはや一人一人が考える時代なのだと思います。


それでは。

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